動画制作時のターゲットとコンセプトは、どうやって設計すればいいのかな?
今回はこういった疑問に答えます。
前回の記事では6W1Hについて解説しました。
その中でも特に大事とされるのが、What(何を伝えるか)、Whom(誰に伝えるか)の2つ。
つまり、『誰に何を伝えるのか』を適切に設計することが、動画導入の成功のカギを握ります。
今回は、ターゲットとコンセプトを具体的に設計していくことで、『誰に何を伝えるのか』を明確にしていきます。
ターゲットとコンセプトによって動画の内容は全く異なる
ターゲットとコンセプトの設計によって、動画の内容は大きく異なります。
パソコンスクールの紹介動画を例に考えてみましょう。
一口にパソコンスクールの紹介動画といっても、色々なパターンがあります。
パソコンスクール | ターゲット | コンセプト |
---|---|---|
若年層向けプログラミングスクール | 小学生~中学生 | 『学ぶ楽しみ』を伝える |
若年層向けプログラミングスクール | 保護者 | 『実績と将来性』を伝える |
大人向けプログラミングスクール | 会社員 | 『本業との両立』を伝える |
初心者向けパソコンスクール | PC初心者・高齢者 | 『PC苦手な初心者でも安心』を伝える |
パソコンスクールといっても、『プログラミングを学べる』のか、もしくは『パソコン操作そのものを学ぶ』のか。
また、『若年層向け』もしくは、『高齢者向け』なのか。
あるいは同じスクールでも、『受講する小中学生向け』もしくは、『保護者向け』なのか。
それぞれのターゲットとコンセプト要素によって、動画の構成は全く異なります。
例えば高齢者向けであれば、ゆっくりと丁寧な解説に加え、字幕大きめにするなど、見やすさ・聞きやすさにも配慮しなければなりません。
このように誰に何を伝えるのか、ターゲットとコンセプトを具体的に設計することは、動画づくりにおいて最も重要なのです。
ペルソナ設定をするメリット
『ターゲット』をさらに詳細に細分化したものを『ペルソナ』といいます。
『ターゲット』は会社員、20~30代の男性など、ざっくりとしたグループのことを指すのに対し、『ペルソナ』はさらに具体的な情報を持った架空の人物を指します。
ペルソナ設定とは年齢や性別などの基本情報はもちろん、価値観や趣味などの情報も追加して、一人の人物像を作りこむのが特徴です。
なぜターゲット設定ではなく、ペルソナ設定まで必要があるのか。
ペルソナ設定をするメリットは以下の通りです。
- ユーザー視点で考えられる
- 制作側で共通の認識ができる
- マーケティング精度の測定ができる
それぞれ順番にみていきましょう。
ユーザー視点で考えられる
ペルソナを設定すれば、ユーザーのライフスタイルや好みに合わせた動画を届けられます。
いつ、どんな場面で動画を再生するのか想定しやすくなり、よりユーザーのニーズに応えることができます。
制作側で共通の認識ができる
『20~30代の女性向け化粧品をPRする』といっても、制作側が思い浮かべる人物像は、人それぞれですよね。
そこでペルソナ設定をすれば、制作側における方向性のズレが生じにくくなります。
マーケティング精度の測定ができる
ペルソナ設定をしておけば、動画を見て商品を購入したユーザーの情報が、制作側の想定した人物と一致しているか確認できます。
想定した人物と異なる場合は、動画のターゲット&コンセプト設計の見直しをすべきでしょう。
ペルソナ設定の注意点
ペルソナ設定には注意すべき点がいくつかあります。
- 先入観に捉われない
- ペルソナ設定は見直す
順番に解説していきましょう。
先入観に捉われない
制作側の思い込みや、理想のユーザー像でペルソナを設定してはいけません。
今までのユーザー層だけをイメージしがちですが、それでは今まで見落としていた潜在層にアプローチできなくなります。
客観的な視点や色々な人の意見を取り入れることで、より効果的な施策を打ち出しましょう。
ペルソナ設定は見直す
ペルソナ設定は定期的に見直すべきです。
なぜなら、ペルソナ設定が間違っている場合があるから。
今までガラケーを使っていたユーザーがスマホに移行したように、時代の変化によって適切なペルソナ設定は変化します。
もちろん動画を制作したあとに、イマイチ効果が出ない場合も見直さなければなりません。
ペルソナ設定の具体例
それでは具体的にペルソナ設定をしてみましょう。
ここでは、大人向けプログラミングスクールを題材に考えてみます。
氏名 | 加藤 翔太 |
年齢 | 26歳 |
性別 | 男性 |
仕事 | 製造業の営業 |
休日 | 土日・祝日 |
年収 | 450万円 |
学歴 | 大学卒業(文系) |
居住地 | 京都府 |
家族構成 | 既婚、子ども無 |
性格 | アクティブで自己投資は積極的 |
価値観 | 仕事が衰退が見込まれる業界で不安 何か副業を始めたいと思っている |
趣味 | 登山・カメラ 旅行が好き |
ITスキル | Word・Excelは使用可能 プログラミング未経験 |
どんな動画を制作すれば良いのか、具体的イメージが湧いてきたのではないでしょうか。
これはあくまで一例です。
PRした商品・サービスによって、ペルソナの要素は調整しなければなりません。
このイメージで動画を流し、視聴ユーザーからのアンケート等で答え合わせをすることで、よりターゲティングの精度が向上します。
ターゲットとコンセプトを設計し、効果的な動画企画を立てよう
今回は『誰に何を伝えるのか』を深く掘り下げ、コンセプト&ターゲット設計、そしてペルソナ設定について解説しました。
動画を制作する場合は、具体的にペルソナ設定まですることで、よりユーザーに刺さるPRができます。
そして、ペルソナ設定は制作側の思い込みに捉われず、定期的に見直すことを忘れずに。